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山口 徹治; 澤口 拓磨; 塚田 学; 星野 清一*; 田中 忠夫
Clay Minerals, 51(2), p.279 - 287, 2016/02
被引用回数:7 パーセンタイル:24.23(Chemistry, Physical)セメント硬化体を炭酸ナトリウム溶液に接触させて変質させる試験と、セメント硬化体とベントナイトを接触させて変質させる試験とを行った。変質に伴う物質移行特性の変化は、トリチウム水を透過拡散させて拡散係数の変化を検出することによって調べた。炭酸系の試験では、界面近傍における鉱物の変化に伴い、180日間に拡散係数が変質前の70%に低下した。セメントとベントナイトを接触させたケイ酸系の試験では、界面近傍における鉱物の変化に伴い、600日間に拡散係数が変質前の71%に低下した。粉砕したセメント硬化体とベントナイトを混合して変質させた既往の研究では、拡散係数が180日間に変質前の20%にまで低下したのに比較すると、本研究では反応面積が小さいので拡散係数の変化も小さくなった。炭酸系の実験では硬化体表面から0.55mmの範囲で拡散係数の変化が起こり、ケイ酸系の実験では界面から0.5mmの範囲で拡散係数の変化が起こったと評価された。この結果を、単純なモデルを用いて15年間に外挿したところ、フランスTournemire地下実験施設で観察された15年間にわたるセメント-粘土岩相互作用の特徴をよく再現した。このような知見は、実験データに信頼性を与えるとともに、実験に基づくデータやモデルを長期評価に用いる際の根拠の1つとなりうる。
大西 光代*; 礒田 豊*; 黒田 寛*; 岩橋 雅行*; 佐藤 千鶴*; 中山 智治*; 伊藤 集通; 伊勢田 賢一*; 西澤 慶介*; 島 茂樹*; et al.
北海道大学水産科学研究彙報, 55(2), p.105 - 119, 2004/10
津軽海峡における流量変動と潮流特性を明らかにするために船底設置型ドップラー流速計による流速モニタリングを1999年10月29日から2000年3月31日までの期間行った。観測ラインは海峡中央部を横断するものであった。津軽海峡は北太平洋と日本海を結ぶ海峡であり対馬暖流の主要な流出口である。平均流の強流部はほぼ海峡中央部に位置し流れの向きは北東方向であった。また、その両側にあたる北海道と本州沿岸には反流が存在した。平均流の流量、すなわち津軽暖流流量は、正味西向きに1.8Sv(1Sv=10ms)であった。潮流は主要四大分潮(M2, S2, O1, K1)分潮について解析した。海峡内の潮汐は一般に半日周潮が卓越しているが、潮流においてはK1とM2の海峡通過流量がそれぞれ0.72Svと0.52Svであり、日周潮が卓越していた。潮流による通過流量と潮汐の位相関係からK1は定在波の特徴を持ち、M2は進行波の特徴を持つことが明らかとなった。また順圧的な構造を持つ半月周期の変動も明らかとなった。Mf分潮の潮汐は日本海沿岸で振幅13cmと大きく、北太平洋沿岸では1cmに満たない。このことは津軽海峡に存在する半月周期の変動が津軽海峡の両出口でのMf分潮潮汐の振幅差に由来することを強く示唆している。
永野 哲志; 柳瀬 信之; 都築 克紀; 長尾 誠也*
Environment International, 28(7), p.649 - 658, 2003/01
被引用回数:29 パーセンタイル:52.26(Environmental Sciences)河川中の元素の移行に対する懸濁物の影響を調べるために、久慈川河川水中の懸濁物濃度,懸濁物化学組成及び溶存態濃度を分析した。その結果、懸濁物濃度は流量とともに2,3桁のオーダーで増減することを明らかにした。また、元素の支配的な化学形が溶存態であるか懸濁態であるかは元素の性質や流量に依存することを見いだし、河川中における元素のトータルの移行量をモデル化する際には、懸濁態としての移行を詳細に検討し反映させる必要があることを指摘した。
奥野 浩; 秋山 秀夫*; 望月 弘樹*
Journal of Nuclear Science and Technology, 40(1), p.57 - 60, 2003/01
被引用回数:1 パーセンタイル:10.87(Nuclear Science & Technology)国際原子力機関(IAEA)の現行の放射性物質安全輸送規則を厳密に適用すると、低レベル廃棄物(LLW)ドラムが核分裂性物質として輸送することが要求される。この問題は、LLWドラム中のコンクリートの水分が重水素(D)を含み、その量が核分裂性物質質量の0.1%を超え、従ってLLW運搬物が核分裂性物質を含む輸送物に関する除外規定要求を満たさないことの帰結である。軽水素(H)とDの中性子吸収断面積の相違に関する検討から、水素減速体系において天然水中のDの存在による中性子増倍率の相対的な増加が0.015%以下であることを示す。U/H質量比5%のU金属と水の混合物において、無限中性子増倍率がD/H原子個数比に比例して増加し、D/H原子個数比0.015%に対して無限中性子増倍率の相対的な増加割合が0.03%未満であることを数値計算により確認する。除外規定にある核分裂性核種と水素の制限質量比5%が、天然水にDを含む水素減速体系にも適用可能であることを結論付ける。
小嵐 淳*; 飯田 孝夫*; 安藤 麻里子; 山澤 弘実; 天野 光
Fusion Science and Technology, 41(3), p.464 - 469, 2002/05
環境中に放出されたトリチウムの影響を評価するためのモデル構築の一環として、地表面に近い不飽和土壌中でのHTO輸送モデルの開発と、モデル検証のためのトリチウム水を模擬した重水を用いた土壌カラム実験を行った。モデルには、土壌水分についてRichardsの式とVan Genuchtenタイプの土壌水分特性曲線の組み合わせを用い、HTO輸送については移流拡散方程式を用いた。実験では、重水を添加した水盤上に砂質土壌を均質に詰めた0.5m高のカラムを設置し、一定時間後の土壌中の重水濃度と堆積含水率の分布を測定した。実験で得られた土壌中での重水の拡散係数及び分散係数と、実験で得られた濃度分布とモデル計算結果の比較によるモデル検証結果について議論する。
山澤 弘実
Environmental Modelling & Software, 16(8), p.739 - 751, 2001/12
不飽和土壌中での熱、水及びトリチウム水の輸送と大気との交換を評価対象とする1次元数値モデルを開発した。このモデルは土壌温度、含水率、土壌空気の比湿、土壌水中のHTO濃度及び土壌空気中のHTO濃度に関する5個の予報方程式から構成される。このモデルを用いて、土壌中HTO輸送及び大気の交換に対して気象・水文条件がどのように影響するのかについて数値実験を行った。その結果、降水と土壌の水分特性が最も重要であり、その他の気象条件も緩速の二とおりの影響を示すことがわかった。また、時間平均した気象・水分条件を用いると、HTOの輸送料及び大気への蒸発量を過小評価することが示された。
武田 隼人*; 大沼 謙二*; 玉田 正男; 笠井 昇; 片貝 秋雄; 長谷川 伸; 瀬古 典明; 川端 幸哉*; 須郷 高信
JAERI-Tech 2001-062, 66 Pages, 2001/10
放射線グラフト重合法によって合成した金属捕集材の実海域での適応性を調査検証するため、海水中に極低濃度で溶存するウラン、バナジウム等の有用金属の捕集試験をむつ事業所沖合いの実海域で実施している。捕集材から溶離した有用金属はキレート樹脂に再吸着して分離・精製施設に輸送して精製した。キレート樹脂はPVC製の樹脂筒に収納しさらにステンレススチール製の輸送容器に収納してトラックで専用積載として輸送した。本試験で取り扱うウランの量は、1回の試験当り150g(1.92MBq)以下としたので、ウランの濃度は最大で60Bq/gであり、取り扱い量も濃度も法規制の対象外である。したがって、輸送も一般の物質として行うことができるが、自主的にL型輸送物に準拠して輸送することにした。L型輸送物は法令上輸送容器に関する構造強度上の要求はないが、輸送に当って安全を期すため上位輸送区分であるIP-2型相当の強度を有することをあらかじめ解析評価して、通常の取扱い条件において輸送容器の健全性を確保できることを確認した。また、輸送に当っては、あらかじめ輸送計画書を作成し、これに従って実施した。
松永 武
JAERI-Review 2001-018, 121 Pages, 2001/06
日本原子力研究所では、大気中に放出され、地表に降下・蓄積した人工放射性核種の長期的移行挙動の理解に寄与することを目的として研究を行ってきた。本報告は、それらの研究の中で、大気から地表に降下した数種の放射性核種の河川流域における挙動についての研究を取りまとめたものである。収載した一連の研究では、1) 河川流域における核種の移行、2) 河川における核種の存在形態の2つの面から研究が行われた。研究の結果、河川水中の懸濁物質が放射性核種の移行媒体として重要であること、河川流域からの核種の年間流出量を河川流量との回帰式で近似できることが示された。チェルノブイル原子力発電所近傍の地域における研究により、溶存有機物がPu 、Amの移行に大きな役割を有していることが明らかにされた。さらに、この錯体形成の解釈ならびに放射性核種の保持体として重要な河底堆積物中の鉄・マンガン相の挙動について化学平衡論に基づくモデル適用された。これらの研究で得られた成果は地表面環境の広域的な汚染が起きた場合の長期的な環境影響の定量化に役立つものと考えられる。
奥野 浩; 酒井 友宏*
Proc. of PATRAM'98, 1, p.217 - 223, 1998/00
1996年版IAEA放射性物質安全輸送規則の助言文書に関する臨界安全研究を集約した。UO-HO及びPuO-HO燃料濃度についての小さな変動の有無に伴う臨界計算を摂動理論に基づき与えた。5%の燃料濃度の変化が、最大で0.4%k/kの中性子増倍率の増大を与えうることを示した。燃料の非均質効果を低濃縮度UO燃料粒子の配列が水没している系で調べた。直径50mの燃料粒子の場合、中性子増倍率の相対的増加割合は0.1%k/k未満であった。水の孤立化厚さを反射体因子を用いて論じた。反射体因子は、孤立材厚さが無限の場合に対する、有限厚さの孤立材付き燃料の中性子増倍率の相対的増加割合として定義された。30cmが、水の孤立化厚さについての実用値であると認識された。
西山 勝栄*; 中嶋 悟; 多田 隆治*; 内田 隆*
鉱山地質, 40(5), p.323 - 336, 1990/00
放射性廃棄物の地層処分において、岩盤割れ目からその周辺のマトリックス部への核種の拡散現象は、核種の移動の重要な遅延現象である。そこでこの現象を定量化するため、様々な岩石について、その間隙水中のヨウ素イオンの拡散実験を行い、有効拡散係数を測定した。また、これらの岩石の全間隙率及び間隙孔径分布を測定した。その結果、両対数グラフ上で、岩石の5nm以上の間隙率(transport porosity)traと有効拡散係数は、均質等方的な岩石についてほぼ直線的な関係がある。その傾きから、拡散経路の屈曲度では、=traの形でtransport porosityの関数となった。これらの関係は、間隙率を測定し、また間隙率の長期的変化等の推測をすれば、岩盤マトリックス中での核種の拡散現象の定量的予測ができる事を示唆する。
内田 正明; 斉藤 裕明*
JAERI-M 86-158, 58 Pages, 1986/11
炉心損傷事故時に露出した原子炉1次冷却系における揮発性FPの移行を解析するために、HORNコードを開発した。本報は、そのモデルを解説する。FPの放出または沈着を決定する再重要因子として、コードは流体中および配管表面におけるFP化学形を、気・液・固体平衡モデルにより計算する。その結果を用いて、拡散による気体FPの沈着、エアロゾルの析出等を計算する。解析対象元素を少なくする為、周期律表上の同族元素を1つに代表させ、また揮発性の低い元素を1つの仮想元素として纏める等の近似を行った。現在解析対象として I,Te,Sb,Ag,Cd,Baである。
E.A.Hegazy*; 石垣 功; A.Rabie*; A.M.Dessouki*; 岡本 次郎
J.Appl.Polym.Sci., 26, p.3871 - 3883, 1981/00
被引用回数:56 パーセンタイル:92.3(Polymer Science)放射線前照射法によりアクリル酸をポリテトラフルオルエチレンフィルムにグラフト重合して得られた膜の、イオン交換膜としての基本的諸性質を明らかにした。グラフトおよび水膨潤による寸法変化、含水率、電気抵抗、機械的性質について、グラフト条件(線量、モノマー濃度)とグラフト率との相関を解明した。例えば、膜の電気抵抗は、グラフト率が7~9%に達すると急激に低下し、フィルムの中心部までグラフト重合が進行していることが示唆された。グラフト重合はフィルム表面からモノマーの拡散とともに進行することが、XMAによるグラフト分布の測定からも確認された。また、モノマー濃度が極めて高い系(80%)で得られた膜は、同一のグラフト率で比較した場合、電気抵抗は高く、グラフト分布も不均一であることが判明した。
永井 晴康; 都築 克紀; 小林 卓也; 寺田 宏明
no journal, ,
福島第一原子力発電所事故により、放射性物質が環境へ放出されるとともに、処理されないまま敷地内に存在する汚染水が漏えいする可能性がある。これらによる環境影響を評価するために、大気・陸域・海洋結合計算による放射性物質の環境中移行シミュレーションを試みている。結合計算では、複数のモデルを同時進行で並行計算させ、モデル結合プログラム(モデルカップラー)がモデル間の双方向データ交換を仲介し、モデルを一体化したのと同等な結合状態を実現する。福島への適用では、まず、大気モデルと陸域モデルの結合計算による、大気放出された放射性物質の地表沈着、土壌中移行、及び河川流出過程の試験計算結果を実施した。この計算において河川水流量を過小評価する問題について、1年間のスピンアップ計算において、地下水から河川への湧出を考慮することにより改善するとともに、融雪による流量変動の再現を試みた。その結果、阿武隈川の複数の測定地点での河川水流量の時間変動をほぼ再現できるようになった。